不動産の売却のきっかけには人それぞれ理由がありますが、その中でも相続によって取得した不動産の売却に関して解説をしていきたいと思います。

 

遠く離れたところで働いている子供が、実家の家を相続で取得するという事は、良くある話で、多くの場合使用しないからと言って売却するケースが多いです。

 

また、兄弟姉妹で遺産を分割するために、不動産を売却して現金に換え相続するという方法もあります。

 

こうした相続で取得した不動産を売却する上で、ポイントを押さえて損をしないようにしましょう。

 

この記事でわかる事
  • 相続時の不動産売却を明らかにする
  • 相続登記を行う
  • 相続時に換価分割も視野に
  • 相続して売ったものは譲渡益に
  • 譲渡税を軽減する

 

【相続時の不動産売却の全貌を明らかにする】

 

親から相続するものの中に現金貴金属のほかには、不動産も含まれます。

 

現金や貴金属の場合、兄弟姉妹で分割するのは簡単ですが、不動産の場合売却をして現金化するにも時間と手間がかかりますし、普段慣れない難しい契約を交わさなければなりません。

 

しかし、使わない不動産を所有しているだけで『固定資産税』や『都市計画税』が掛かってきますので、無駄なお金を支払わなければなりません。

 

この記事ではこうした相続で取得した不動産の売却に関することを明らかにしていきます。

 

 

相続した不動産を放っておかずに売却するのが得

 

上記でも少し触れましたが、相続をした不動産には使用しなくても使用していても『固定資産税』と『都市計画税』が掛かります。

 

これらは1月1日時点の所有者に対して掛けられる税金で、一括で支払う事も分割で支払う事もできます。

 

相続した不動産に居住する場合は、居住している間支払っていくのは当然ですが、使用していない不動産を所有しているだけで年間数万円を払い続けるのはお金の無駄遣いをしているようなものです。

 

今後使用する予定がない場合は、売却してしまい現金化する方がお得です。

 

また、売却した場合の税金についても詳しく解説していきますので参考にして下さい。

 

相続した不動産を売却する際の4つのポイントは以下の通りです。

 

 

  • 相続登記を行う
  • 相続時に換価分割も視野に
  • 相続して売ったものは譲渡益に
  • 譲渡税を軽減する

相続登記を行う[ポイント1]

 

相続登記とは、不動産の所有者(被相続人)から相続人に不動産の名義を変更する手続きの事を言います。

 

相続登記をするには対象の不動産が所在する管轄の法務局に行き、手続きを行うことができます。

 

登記とは、不動産の所有者や住所、地番、平米数、築年数、抵当権の有無など様々な情報を登記簿に記載することです。

 

登記簿は手数料さえ支払えば誰でも閲覧することができ、不動産の所有者を確認する場合などに取得したり、所有者を明確にしておくためのものです。

 

相続登記をしないとどうなる?

 

相続が発生したにも関わらず相続登記をせずに放置しておくと将来的に相続人同士でもめてしまう可能性がありますので、相続が発生した場合速やかに相続登記を行いましょう。

 

遺産分割協議により通常の法定相続分とは異なる相続が発生した場合に、相続登記をしておかなければ第三者に「この不動産は私の物だ」と主張することができません。

 

従って、遺産分割協議によって不動産の相続をする場合は、必ず相続登記をしておきましょう。

 

遺産分割協議とは相続人全員で行う話し合いの事で、その話し合いで決まった内容を書面に起こしたものを『遺産分割協議書』と言います。

 

相続登記をせずに相続人が亡くなった場合

 

相続登記も遺産分割協議もなされない間に、相続人が亡くなってしまった場合、不動産の売却が非常に難しくなります。

 

例えば父、母、長男、次男、それに長男の妻と長男の子供が5人いたとします。

 

父が亡くなり遺産を相続することになったが、相続登記をする前に長男が亡くなってしまい、更に相続が発生した場合、遺産分割協議には母と次男、長男の妻、長男の5人の子供の合計8人でしなければならなくなります。

 

相続登記を行わなかったために相続人の人数が3人から8人に増えてしまいました。

 

相続した不動産を売却する場合、相続人全員の合意が必要になりますので、遺産分割協議が必要です。

 

その為、8人全員で遺産分割協議書を作成し、8人分の印鑑証明実印が必要になり不動産の売却が非常に困難になってきます。

 

相続時に換価分割も視野に[ポイント2]

 

遺産の分割方法には下記の3つの方法があります。

 

  • 現物分割
  • 換価分割
  • 代償分割

 

現物分割とは

 

例えば相続した現金のほかに不動産や株券などの資産があった場合、配偶者や兄弟姉妹で現金を相続する者、不動産を相続する者、株券を相続する者と言ったように、相続した資産をそのままの形で相続することです。

 

換価分割とは

 

上記の例で例えると、現金の他に不動産株券をすべて現金に換えそれを相続人全員で分割することを言います。

 

現物分割の場合と違い、資産をすべて現金に換えているので、相続人間で公平に分割することができます。

 

不動産や株券などは価値によって不公平にもなりますので、遺産を分割する上では一番おすすめできる分割方法です。

 

代償分割とは

 

相続される資産をすべてある人物に相続をさせた後、他の相続人に金銭を代わりに支払う分割方法です。

 

例えば、相続人が長男と次男しかいなかったとして、相続する資産も不動産しかなかった場合で、長男は相続する不動産に住んでいます。

 

長男は現在の不動産に今後も住み続けたいと考えていますが、遺産の分割もしなければなりません。

 

このような場合、長男に不動産を相続させ、次男にはそれ相応の金銭を支払って相続分にするような方法です。

 

相続を複数で行う場合の売却フロー

 

相続した不動産を売却するにはまず売却したい不動産を誰の名義にするのかを決定する必要があります。

 

共有名義の不動産の売却には、共有している相続人の合意が必要になりますので、売却するには非常に時間がかかります。

 

その為、売却を一任できる相続人を一人立ててその人物に売却を任せるといった方法です。

 

相続した不動産の売却フローは以下の通りです。

 

 

  1. 不動産の相続登記をする  
  2. 相場を調べる  
  3. 不動産会社に査定を依頼する  
  4. 不動産会社の選定・媒介契約  
  5. 販売開始  
  6. 契約

 

1、不動産の相続登記をする

 

上記でも記載しましたが、相続人を代表して不動産の売却を任せる人物を決定します。

 

相続人全員で売却活動をするには全員の合意が必要になりますので、非常に時間がかかります。

 

その為、相続人の一人を代表にして手続きをしましょう。

 

2、相場を調べる

 

通常の不動産と同じですが、周辺の相場を調べ販売価格を決定しなければなりません。

 

しかし、不動産の売却をすることなんて長い人生の中で1回あるかないかの事ですので、不動産会社と相談の上決定して行くようにしましょう。

 

3、不動産会社に査定を依頼する

 

不動産の相場を調べるには不動産会社に査定の依頼をすればすぐに把握することができます。

 

インターネットの不動産査定一括サイトなどに情報を登録すれば複数社の不動産会社から概算の査定額を提示してきます。

 

また、詳しい査定額を知りたい場合は、返信してきた不動産会社の中から数社を選び、訪問査定をしてもらいましょう。

 

不動産査定一括サイトでは紙面上の物件情報しか査定する材料がないため、あくまでも概算となります。

 

しかし、訪問をしてもらった場合、物件の状態や周辺環境、立地などを考慮した査定額を提示してくれます。

 

4、不動産会社の選定・媒介契約

 

複数の不動産会社に訪問査定をしてもらい、その中から一番信頼できる不動産会社を選びましょう。

 

不動産会社の中には査定額を高く見積もってくる会社もある為、提示された査定額の根拠も営業担当に聞いて判断しましょう。

 

お願いする不動産会社が決まれば、媒介契約を結びます。

 

媒介契約とは、不動産の売却活動を売主に代わって行う契約の事です。

 

媒介契約を結んだ不動産会社は媒介契約が切れる期間まで、不動産の売却を責任もって行う義務が発生します。

 

5、販売開始

 

不動産会社と媒介契約を結べば、不動産の販売開始です。

 

インターネット広告に記載したり、店頭チラシポスティング既存の顧客に紹介など様々な宣伝活動を行い不動産の契約成立を目指します。

 

媒介契約には売主に定期報告をしなければならない契約がありますので、定期報告が義務zづけられた媒介契約を結び、販売活動状況を把握しておきましょう。

 

6、契約

 

販売活動が実を結び買主が見つかれば、次は不動産の売買契約です。

 

売買契約には不動産会社の担当者の立会いの下、売主と買主がそれぞれ契約書に記名押印をしていきます。

 

相続して売ったものは譲渡益に[ポイント3]

 

 

相続した不動産を売却して利益が出ると「譲渡所得課税」の対象となり、「住民税」と「所得税が掛かります。

 

譲渡所得にかかる税額は以下の計算式で求められる。

 

譲渡所得=譲渡収入額-(取得費+譲渡費用)

 

売却した価格から「取得費」と「譲渡費用」を差し引いた売却益に税率をかけると求められます。

 

税率は不動産の所有期間が5年以下か5年を超える場合以下の表のようになります。

 

  短期譲渡所得 5年以下 長期譲渡所得 5年
居住用 39.63%

所得税30.63%住民税9%

20.315%

所得税15.315%住民税5%

 

譲渡益はもちろん課税対象

 

譲渡して得た利益はもちろん課税の対象になります。

 

譲渡所得×税率=譲渡所得税

 

となり、税率は不動産の所有期間によって異なりますので上記の表を参考にしてください。

 

取得費のわからない場合、物件の売却価格の5%を取得費としてみなすことができます。

 

譲渡税を軽減する[ポイント4]

 

不動産を売却して利益が出た場合は、課税の対象となりますが税金を軽減する方法もあります。

 

税金を軽減する方法はいくつもありますが、今回は相続した不動産を売却するので、相続した不動産を売却する場合の軽減方法を説明します。

 

相続税を払っているなら減額対象

 

相続した不動産を売却する場合の特例は『空き家特例』と言います。

 

平成28年4月1日から相続によって空き家が発生した場合、実家を譲渡した場合の譲渡所得から特別控除できる特例が創設されました。

 

両親が亡くなって誰も住むことが亡くなった実家を相続してそれを売却する場合、譲渡所得から最高で3000万円を差し引くことができます。

 

適用要件

 

空き家特例の適用要件には以下の3つすべて満たしている必要があります。

 

  • 対象の家屋が区分所有建築物(マンション)でない事
  • 昭和56年5月31日以前に建築されたもの
  • 相続開始の直前までに同居人がいなかったこと

これらの条件を満たしている住宅を相続した者が空き家特例を受けることができます。

 

また適用できる譲渡とは以下の通りです。

 

  • 平成28年4月1日から平成31年12月31日までに譲渡すること
  • 相続が開始した日から3年を経過した年の年末までに譲渡をすること
  • 譲渡対価が1億円以下である事(ただし分筆して売却し合計額が1億円を超える場合は適用されない)
  • 譲渡資産が以下のいずれかに該当すること

※新耐震基準に適合するようなリフォームをしてその敷地とともに譲渡する場合

※建物を除却して敷地の実を譲渡する場合

 

ただし※印については相続が発生してから譲渡するまでに、譲渡する建物や敷地を相続人が商売などの事業の要に使用していたり、他人へ貸し付けを行っていない事。

 

適用除外

 

空き家特例は次にあげる特例と合わせて適用することができません。

  • 収容等に伴い代替え資産を取得した場合の特例
  •  固定資産の交換特例
  • 交換処分に伴い資産を取得した場合の特例
  • 換地処分等に伴い資産を取得した場合の特例
  • 収容交換等の場合の特別控除
  • 特定事業用資産の買換え・交換の特例
  • 大規模住宅地造成事業の施工区域内にある土地等の造成のための交換特例
  • 認定事業用地適正化計画の事業用地の区域内の土地等の交換の特例
  • 継承業務の事業計画の施工区域内にある土地等の交換の特例
  • 特定普通財産とその隣接する土地等の交換と特例
  • 平成21年・22年に土地等の先行取得をした場合の譲渡所得の特例

相続時の不動産売却で損をしない為の4つのポイントまとめ

 

相続をした不動産は所有しているだけで『固定資産税』と『都市計画税』かかりますので、使用する予定がない場合、早めに売却することをお勧めします。

 

相続した不動産の売却で損をしない4つのポイントは以下の通りです。

 

 

  1. 相続登記を行う
  2. 相続時に換価分割も視野に
  3. 相続して売ったものは譲渡益に
  4. 譲渡税を軽減する

 

不動産は所有しているだけで管理費用などが掛かりますので、上記の4つのポイントを良く理解して損をしないようにしましょう。

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