家、マンションの売却時には、どんな費用が必要になるんだろう?
費用をちゃんと把握しておかないと、ローンの残債が払えない!なんてことにもなりかねないものね。

 

家、マンションの売却は、人生でそう何度も経験することではありません。

 

必要な費用をよく理解して、失敗のないようにしたいものです。

 

この記事では、家やマンションの売却にかかる代表的な6つの費用について解説しています。

 

不動産売却後の資金計画に、是非お役立てください。

 

この記事でわかること
  • 家・マンション売却時に必要な6つの費用
  • 費用を抑えるための対策3つ

 

 

家・マンション売却に必要な費用は、次の6つです。

 

売却に必要な6つの費用
  1. 仲介手数料
  2. 印紙税
  3. 登記費用
  4. 譲渡所得税
  5. 住宅ローン残債
  6. その他必要に応じて払う費用

 

この6つの中で、もっとも大きな割合を占めるのは、不動産会社に支払う仲介手数料です。

 

あとは、投資用の物件を売却した場合などに、譲渡所得税が高額になる可能性はあるかもしれませんが、居住用の家やマンション売却の場合は特例措置があるので、譲渡所得税がかかるケースは実際はほとんどありません。

 

そのあたりの説明も後ほど詳しくしていきますね。

 

まずは、仲介手数料から見ていきます。

 

仲介手数料

 

 

不動産会社に支払う仲介手数料の上限は、法令により決められています

 

ですので、法外な手数料を請求されることはないので、その点は安心です。

 

上限の手数料を簡単に計算する方法をお伝えします。

 

家やマンションの売却金額によってパーセンテージが変わるのですが、もっとも一般的な400万円超えの場合から見ていきますね。

 

売却額が400万円を超える場合
計算式

売却額 × 3% + 6万円 + 消費税

事 例

2,200万円で家を売却した。

 

2,200万 × 0.03 = 66万

66万 + 6万 = 72万

 

<消費税8%の場合>

72万 × 1.08 = 77万7,600円

 

<消費税10%の場合>

72万 × 1.1 = 79万2千円

 

 

400万円以下の売却額の場合は、次の通りです。

 

売却額が200万円超え400万円以下の場合
計算式

売却額 × 4% + 2万 + 消費税

 

事 例

390万円でマンションを売却した。

 

390万 × 0.04 = 15万6千

15万6千 + 2万 = 17万6千

 

<消費税8%の場合>

17万6千 × 1.08 = 19万80円

 

<消費税10%の場合>

17万6千 × 1.1 = 19万3,600円

 

売却額が200万円以下の場合
計算式

売却額 × 5% + 消費税

 

事 例

190万円で古い家を売却した。

 

190万 × 0.05 = 9万5千

 

<消費税8%の場合>

9万5千 × 1.08 = 10万2,600円

 

<消費税10%の場合>

9万5千 × 1.1 = 10万4,500円

 

売買契約が成立するまで実際の仲介手数料は分かりませんが、相場から仲介手数料の計算をすることで、売却後に手元に残る金額を予測することができます。

 

また、手元に残したい金額から逆算して希望販売価格を決めるときにも、仲介手数料の計算は欠かせません。

 

 

印紙税

 

印紙税は、日常の経済取引に伴って作成する契約書や金銭の受取書(領収書)などに課税される税金で、---(中略)--- 20種類の文書が課税の対象となります。

 

不動産売却においては、「不動産の譲渡に関する契約書」つまり「売買契約書」が、課税対象となります。

 

国税庁のホームページにも書かれている通り、不動産の売買契約書に課される印紙税額は、2020年3月31日まで軽減措置が適用されています。

 

この軽減措置は、もともと2018年3月31日までの期間限定だったのですが、2年間延長されているので、2年後さらに延長される可能性もあります。

 

本題には関係ない豆知識
軽減措置延長の背景には、2019年10月1日から施行予定の消費税増税が関係していると言われます。消費増税による景気の停滞を懸念して、とりあえず2年間延長されたというところでしょうか。では、2年後の2020年4月1日以降はどうなるのか?ということですが、消費税増税後の景気の動向を見て、さらに延長するかどうか決めるとみられます。

 

 

軽減措置後の具体的な税額は、下の表をご参照ください。

 

契約金額 印紙税
1万円以上50万円以下 200円
50万円超え100万円以下 500円
100万円超え500万円以下 1,000円
500万円超え1,000万円以下 5千円
1千万円超え5千万円以下 1万円
5千万円超え1億円以下 3万円
1億円超え5億円以下 6万円

 

 

印紙税は、売買契約書に該当金額分の印紙を貼付することで納税します。

 

たいていは仲介の不動産会社が印紙を準備してくれますので問題ありません。

 

 

登記費用

 

 

家やマンションの売却時に、売主が費用を負担しなければならない登記には、以下のものがあります。

 

  • 抵当権抹消登記
  • 住所・氏名変更登記

 

2つとも必ず必要になるわけではなく、売主の状況により不要な場合もあります

 

そして、それぞれの登記に必要となる費用は、

 

  • 法務局に支払う登録免許税
  • 司法書士への報酬

 

です。

 

それぞれの登記について見ていきます。

 

抵当権抹消登記(ていとうけんまっしょうとうき)

 

 

銀行のローンがまだ残っている家やマンションの場合、まず全てのローン残債を支払ってから売却する必要があります。

 

ローンを組むときに、銀行は該当の家やマンションを抵当に設定しているため、ローン完済後は、銀行に設定している抵当権を抹消する手続きが必要となります。

 

それが、抵当権抹消登記です。

 

抵当権抹消に必要な登録免許税は、不動産1物件に対して1,000円です。

 

不動産は土地と建物を別々に数えるので、土地1筆の上に立つ1棟の家であれば、2,000円になります。

 

ただし、「1筆」や「1棟」というのは「登記簿の数」で数えるので、2筆の土地の上に1棟の家が建っているのであれば、登録免許税は3,000円ということになります。

 

マンションの場合も、「部屋部分」と「土地の持分」を別々に数えます

 

土地の持分が2筆になっていることはよくあり、中には5筆、6筆のようになっていることもあるので、注意が必要です。

 

自分の家やマンションに不動産が何物件入っているのかを確認するには、「共同担保目録」添付の登記簿を取得することをおすすめします。

 

ポイント

登録免許税は、
  • 物件数 × 1,000円
  • 家と土地は別々に数える(マンションも同じ)
  • 物件数は登記数。1土地=1物件とは限らない

 

住所・氏名変更登記

 

 

不動産名義人の住所変更や氏名変更が必要なケースは、次のような場合です。

 

  • 不動産購入後に引っ越しをした
  • 市区町村の合併や地名地番の変更などで住所が変わった

 

  • 結婚、離婚、養子縁組等で姓が変わった
  • 改名した

 

変更には登録免許税が必要ですが、市区町村の合併や地名地番の変更が理由で住所が変わった場合のみ、登録免許税が免税となります。

 

登録免許税の額は、抵当権抹消登記の登録免許税と同じで、不動産1物件に対して1,000円です。

 

司法書士への報酬

 

 

登記手続きを代行してもらう司法書士への報酬は、物件の件数や必要となる書類の数などにもよりますが、

おおむね5,000円~2万円ぐらいです。

 

通常は、不動産会社を通して司法書士に依頼することになるので、売主は不動産会社の請求に従い支払いをするという流れです。

 

不動産会社が提携している司法書士の報酬に不満があれば、司法書士を自分で探すこともできます。

 

譲渡所得税(じょうとしょとくぜい)

 

 

譲渡所得税は、不動産を売却して利益が出た場合に支払う税金です。

 

課税対象となる利益 =「課税譲渡所得(かぜいじょうとしょとく)」を求める方法は下記の通りです。

 

課税譲渡所得の求め方
譲渡価額 ー (譲渡費用 + 取得費)

 

言葉の説明

譲渡価額 売却額、売れた金額
譲渡費用 売却するのにかかった経費

  • 仲介手数料
  • 印紙代
  • 登記費用

などが含まれる

取得費 買う時にかかった費用と減価償却費

  • 土地、建物の購入代金
  • 建築費
  • 仲介手数料
  • 印紙代
  • 登記費用
  • 建物の減価償却費

などが含まれる

 

3,000万円の特別控除

 

上の計算式で求めた「譲渡所得」に対して課税されるのですが、マイホーム用の家やマンション売却の場合は、上で求めた譲渡所得から、3,000万円を控除できる特例があります。

 

これは、マイホーム用不動産は居住を目的とした購入であり、利益追求を目的とする投資物件とは意味合いが違うからです。

 

売却によってたまたまあるていどの利益が出たとしても、次のマイホーム購入の資金にあてなければならないという配慮による特例です。

 

ですので、マイホーム(居住用)の家やマンションを売却する場合は、少なくとも3,000万円以上の利益が出ないと譲渡所得税の課税対象にはなりません

 

譲渡所得税の税率

 

不動産の売却によって得られた利益(売却益)に対する税金には、以下の3つが含まれます。

  1. 所得税
  2. 住民税
  3. 復興特別所得税

 

一般的に、この3つの税金を合わせて「譲渡所得税(じょうとしょとくぜい)」と呼んでいます。

 

不動産の所有期間によって、税率が変わります。

 

所有期間が5年超え
  • 売却した年の1月1日時点で、所有期間が5年を超える場合
所得税

(=基準所得税額)

課税譲渡所得 × 15%
住民税 課税譲渡所得 × 5%
復興特別所得税 基準所得税額 × 2.1%

 

所有期間が5年以下
  • 売却した年の1月1日時点で、所有期間が5年以下の場合
所得税

(=基準所得税額)

課税譲渡所得 × 30%
住民税 課税譲渡所得 × 9%
復興特別所得税 基準所得税額 × 2.1%

 

 

長期間所有していると税率は低く抑えられます。

 

これは、短期間で売却される不動産は、投資的な意味あいが強いとみなされる、長期保有の不動産は、減価償却が進み譲渡所得が出やすい、などが理由として考えられます。

 

具体的な事例で譲渡所得税を計算してみましょう。

 

事 例

  • 25年前に購入した土地と建物の譲渡価額が4,000万円
  • 土地・建物の取得費は3,000万円(建物は減価償却費を控除)
  • 譲渡費用が150万円

 

  • 課税譲渡所得を求める

4,000万 - (3,000万 + 150万) = 850万

 

所得税

850万 × 15% = 127万5千 ❶

 

住民税

850万 × 5% = 42万5千 ❷

 

復興特別所得税

127万5千 × 2.1% = 26,775 ❸

 

譲渡所得税の合計は…

❶+❷+❸ = 1,726,775円

  • 約173万円となります。

(特別控除、特例等は考慮しないものとして)

 

 

住宅ローン残債

 

 

住宅ローンが残っている場合は、完済してからでないと売却できません

 

いつまでに完済しないといけないの?

 

という話なんですが、通常は購入者が見つかり売買契約を交わした後に、売却額をローンの返済に充てることがほとんどです。

 

ですので、売却に必要な費用を計算したうえで、手元に残る金額の範囲内でローン返済ができるよう売却価格の設定をすることが非常に重要です。

 

その他必要に応じて払う費用

 

その他必要に応じて払う費用として、下記のようなものがあります。

 

  • 廃棄物の処分費
  • 敷地の測量費
  • 建物の解体費
  • ハウスクリーニング費用
  • 引っ越し費用

 

不動産の状況や売却の条件によって必要となる費用ですので、売却の計画を立てる際に、相場を調べたり見積りを取るなどして費用を把握しておくと安心です。

 

以上で、売却に必要な費用の説明は終わりです。

 

最後に、これらの費用を少しでも安くする裏ワザを簡単にご紹介しますので、興味のある方は参考にしてみてください。

 

 

損しないための3つのテクニック

 

 

税金のこと…

 

仲介手数料のこと…

 

など、売却に必要な費用には少しややこしいものも含まれますが、これらの費用を理解すれば見えてくる、お得なテクニックがあります。

 

売却費用を少しでも安くする3つの裏ワザをご紹介します。

 

税金還付で損失を取り戻す

 

 

譲渡所得税のところでご紹介した「3,000万円の特別控除」以外にも、実は税金を安くする特例がいくつかあります。

 

譲渡益が出た場合に税金をおさえる特例だけでなく、譲渡損失が生じた場合には、条件によっては給料から天引きされる所得税や住民税の還付が受けられる特例もあるので、是非チェックしてみてください。

 

譲渡益がある場合に利用できる特例
  1. 3,000万円の特別控除の特例
  2. 軽減税率の特例(マイホームの所有が10年を超えている場合)
  3. 買換えの特例(譲渡益の課税を繰り延べる特例)
譲渡損失が生じた場合に利用できる特例
譲渡損失の金額をその年の他の所得(給与所得など)と損益通算そんえきつうさん(他の課税所得から不動産売却で生じた損失を控除)できるという特例。

その年だけで損失分が控除しきれなかった場合は、さらに3年間の繰越控除ができる。

 

条件により、下記2種類の特例に分けられる。

  1. 新たにマイホームを買換える場合の特例
  2. 新たにマイホームを買換えない場合の特例

 

 

3,000万円の特別控除は、売却した不動産がマイホーム用(居住用)であることだけが条件でしたが、他の特例にはそれぞれいくつかの条件があります。

 

ですので、その特例が使えるかどうか、どの特例を使うのが得なのか、ということを各事例ごとに判断しなければならないので、ここでは詳しい説明は省きます。

 

ですが、こういう特例があるんだ…という知識をつけておくと、仲介の不動産会社に相談したり、自分で調べたりするときに役立ちます

 

仲介手数料は安くなる

 

 

不動産会社に支払う仲介手数料の計算方法を先にご紹介しました。

 

この仲介手数料は、法令で定められた上限です。

 

多くの不動産会社はこの上限の金額を仲介手数料として請求しますが、中には手数料を最初から安く設定している不動産会社もあります

 

また、不動産会社と媒介契約を結ぶときの交渉しだいで、仲介手数料を安くすることも可能です。

 

ただし、仲介手数料が安くなる代償としてサービスの低下や販売活動への悪影響があっては本末転倒ですので、仲介手数料を安くできる理由を尋ねたり、安くすることで悪い影響がないことを確認したりするなど、注意が必要です

 

抵当権抹消登記は自分でする

 

 

抵当権抹消登記や住所変更登記などは、通常、買い手が決まり売買契約から物件引渡しの過程で、仲介の不動産会社をとおして、司法書士に依頼する流れとなります。

 

そして、登録免許税などの実費と代行手数料が請求されます。

 

少しでも費用をおさえるために、これを自分でおこなうという手段もあります。

 

自分で手続きすれば、登録免許税数千円と交通費だけで済みます。

 

 

【家・マンション売却】売却時にかかる6つの費用を知る|まとめ

 

 

家・マンション売却の際に必要な6つの費用と、費用をおさえるための3つの裏ワザをご紹介しましたが、いかがだったでしょう。

 

税金のことなど、少し複雑な話になりますが、ちょっとした専門用語を覚えておくだけで、不動産会社との話もしやすくなります。

 

記事の内容をまとめておきますので、必要なときに見返してご活用いただければ嬉しいです。

 

家・マンション売却に必要な6つの費用
  1. 仲介手数料
  2. 印紙税
  3. 登記費用
  4. 譲渡所得税
  5. 住宅ローン残債
  6. その他必要に応じて払う費用

 

売却費用を安くする3つの裏ワザ
  1. 税金還付で損失を取り戻す
  2. 仲介手数料は安くなる
  3. 抵当権抹消登記は自分でする

 

 

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