不動産を売った時の売却益って、売却額とは違うの?

 

売却益をなるべく少なく算出する方法って、何かあるのかな?

 

不動産を売って利益が出ると、所得税と住民税を払わなければいけません。

 

だとしたら、利益はなるべく少なく申告したいですよね。

 

この記事では、不動産を売った時の利益の算出方法と、売った不動産の所有期間によって変わる税率について、分かりやすく紹介しています。

 

利益をなるべく少なく計上するコツと、税金を安くおさえるポイントが分かるような内容です。

 

この記事でわかること

  • 売却益の計算方法
  • 所得税、住民税の税率

 

【不動産 売却】売却益の算出方法

 

売却益は、次の式で計算することができます。

 

売却益の算出方法
売却益 =
譲渡価額 - ( 取得費 + 譲渡費用 )

 

これを、分かりやすい言葉に置き換えると…

 

売れた価格
買った価格
買った時にかかった費用
売った時にかかった費用
売 却 益

 

と、なります。

 

厳密に言うと、取得費からは減価償却費相当額をマイナスしなければいけない…とか、特別控除が…とかありますが、まずは、ざっくりとイメージをつかむことが大切です。

 

 

売却益とは、不動産を売った価格から、その不動産を買った時の価格と、買った時にかかった費用と、売った時にかかった費用を引いたもの

 

 

取得費の算出方法

 

不動産を買った価格と、買った時にかかった費用(経費)のことを、「取得費」と言います。

 

不動産を売って「大金が手に入った!」と言っても、時をさかのぼれば、お金を払ってその不動産を買っていることが多いです。

 

なので、売った金額から、買った価格やかかった経費を引いた額を利益とするのは、理にかなっていますよね。

 

そして、買った代金や、買った時に支払った経費のことを、取得費と言います。

 

**********

 

買った代金は、売買契約書に書いてある金額なので分かりやすいですね。

 

でも、買った時に支払った経費…って、漠然としていて分かりにくいですね。

 

どのようなものが取得費として計上できるのか、まとめてみました。

 

取得費に含まれるもの
  • 不動産の購入代金
  • 建築費
  • 土地の改良費
  • 不動産会社への仲介手数料
  • 印紙代
  • 登記費用
  • 取得税 など

 

これ以外にもかかった費用があれば、取得費として計上できる場合があるので、領収書などを残しておくと良いです。

 

さらに、取得費には、建物の減価償却費相当額を差し引くというルールがあります。

 

 

建物は、時とともに老朽化して価値が下がります

 

価値の下がった分を、取得費からマイナスするというルールです。

 

いくらマイナスするか?というのは、次の式で求めることができます。

 

減価償却費相当額の計算式
建物の購入価格 × 90% × 償却率 × 経過年数

 

償却率は、建物の構造によって決められています。

 

建物の構造 償却率
木造 3.1%
木骨モルタル造 3.4%
鉄骨鉄筋コンクリート

鉄筋コンクリート

1.5%

 

 

上の式で出した減価償却費相当額を取得費からマイナスします。

 

 

譲渡費用って何を指すの?

 

さて、一度おさらいします。

 

売却益の算出方法は…

 

売却益 =

譲渡価額 - ( 取得費+ 譲渡費用)

 

  • 譲渡価額は、売った価格
  • 取得費は、買った価格+買った時にかかった費用
  • 取得費から、減価償却費相当額をマイナスする

 

ここまでは、大丈夫でしょうか?

 

そして、もう1つ残っているのが「譲渡費用」です。

 

譲渡費用は、売った時にかかった費用(経費)です。

 

次のようなものが含まれます。

 

譲渡費用に含まれるもの
  • 不動産会社への仲介手数料
  • 印紙代
  • 登記費用
  • 建物の解体費用 など

 

他にも、売るためにかかった費用なら計上できるかもしれないので、領収書などを残しておきましょう。

 

 

実際に売却益を計算してみる

 

実際に、売却益を計算してみましょう。

 

ここでは仮に、次のようなケースで計算してみます。

 

土地付き一戸建ての家
建物の構造 木造
築年数 30年
購入価格 土地 2,000万円
建物 1,800万円
購入にかかった費用 130万円
売却価格 2,600万円
売却にかかった費用 90万円

 

次の3ステップで、売却益を計算すると分かりやすいです。

 

売却益の計算 ★ 3ステップ
  1. 建物の減価償却費相当額を計算する… A
  2. 購入価格+購入にかかった費用から、Aを引く… B
  3. 売却価格から、Bと売却にかかった費用を引く  売却益!

 

ステップ1

1建物の減価償却費相当額を計算する

 

減価償却費相当額 =
建物の購入価格 × 90% × 償却率 × 経過年数

 

木造建物の償却率は、3.1% なので…

 

減価償却費相当額 =
1,800万 × 90% × 3.1% × 30年 =
1,506万6,000円 … A

 

ステップ2

購入価格+購入にかかった費用から、Aを引く

 

取得費 =
購入価格 + 購入にかかった費用 - A

取得費 =
3,800万 + 130万 ー 1,506万6,000円 =
2,423万4,000円 … B

 

ステップ3

売却価格から、Bと売却にかかった費用を引く

 

売却益 =
売却価格 - B- 売却にかかった費用

売却益 =
2,600万 - 2,423万4,000円 - 90万 =
86万6,000円

 

86万6,000円が売却益ということになりました。

 

家が古くて買った時の書類がなくて…
購入価格が分からない時は、どうすればいいのかなぁ…?

 

豆知識

 

【いくらで買ったか分からない不動産の取得費の計算方法】

 

購入金額が分からない場合は、売却価格の5%を取得費として計上しても良いことになっています。

 

また、通常の計算方法で算出した取得費と、売却価格の5%の額を比べて、高い方を取得費として採用できます。

 

先ほどの計算例で考えると、売却価格の5%は、2,600万×5%=130万円です。

 

通常の計算方法で算出した取得費は、2,423万4,000円でしたので、そちらを採用した方が、譲渡益を安くおさえられますね。

 

 

【不動産 売却】所有期間によって税率が異なる事に注意

 

売却益の計算の仕方が分かったら、あとは売却益に税率をかけて税金の額を計算します。

 

しつこいですが、売却益の出し方…もう一度だけおさらいしますね。

 

ポイントおさらい

【売却益の出し方】

 

買った価格
買った時にかかった費用
減価償却費相当額
取 得 費

 

 

売った価格
取得費
売った時にかかった費用
売 却 益

 

売却益には、所得税と住民税がかかります。

 

それぞれの税率を見ていきましょう。

 

 

譲渡所得税の場合

 

売った不動産を所有していた期間によって、2種類の税率があります。

 

所有期間 所得税の税率
5年以下 30%
5年超え 15%

 

所有期間は、売った年の1月1日時点の年数で計算します。

 

ですので、不動産を買ってから、最低6回はお正月を迎えてから売る!と覚えておきましょう。

 

また、所得税額の2.1%が「復興特別所得税」として追加で徴収されます。

 

東日本大震災の復興のために使われる税金として、2037年12月31日まで課税される予定です。

 

この、復興特別所得税の税率を所得税の税率に足すと、以下のようになります。

 

所有期間 所得税+復興特別所得税

税率

5年以下 30.63%
5年超え 15.315%

 

 

住民税の場合

 

さて、次に住民税の税率です。

 

所得税と同じく、所有期間によって2パターンの税率があります。

 

所有期間 住民税率
5年以下 9%
5年超え 5%

 

所有期間の数え方は所得税の時と同じです。

 

こちらも、所有期間5年を境に、税率に2倍近くの差があります。

 

不動産を買ってから、6回以上お正月を迎えてから売ることを忘れないようにしたいですね。

 

 

実際に税率を変えてシミュレーション

 

実際に、税金の額をシミュレーションしてみましょう。

 

先ほど、売却益を計算した例を使って、続きで税金の額を計算してみます。

 

その後、所有期間が5年だった場合のシミュレーションもしてみますね。

 

条件のおさらい…

 

土地付き一戸建ての家
建物の構造 木造
築年数 30年
購入価格 土地 2,000万円
建物 1,800万円
購入にかかった費用 130万円
売却価格 2,600万円
売却にかかった費用 90万円

 

先ほど計算した売却益は…

売却益

86万6,000円

でしたね。

 

所有期間は5年を超えているので、所得税と住民税は次のようになります。

 

税率 税額
所得税 15.315% 13万2,600円
住民税 5% 4万3,300円
合計: 17万5,900円
(100円未満は切捨て)

 

 

では、同じ家を所有期間5年で売った場合の税額はどのようになるでしょう…

 

下の通り、3つの条件が変わったとします。

 

築年数 5年
売却価格 3,900万
売却にかかった費用 135万

 

減価償却費相当額の計算からし直します。

 

ステップ1

減価償却費相当額の計算
建物の購入価格 × 90% × 償却率 × 経過年数

1,800万 × 90% × 3.1% × 5年
251万1,000円

 

ステップ2

取得費の計算
購入価格 + 購入にかかった費用 - 減価償却費相当額

3,800万 + 130万 - 251万1,000円
3,678万9,000円

 

ステップ3

売却益の計算
売却価格 - 取得費 - 売却にかかった費用

3,900万 - 3,678万9,000 - 135万
86万1,000円

 

売却益

86万1,000円

 

と、なりました。

 

所有期間5年以下での、所得税と住民税額は下記の通りです。

 

税率 税額
所得税 30.63% 26万3,700円
住民税 9% 7万7,400円
合計: 34万1,100円
(100円未満は切捨て)

 

先に計算した所有期間5年超えの時と、ほぼ同じ売却益だったにもかかわらず、差額がほぼ17万円約2倍の税金を払わなければいけない計算になります。

 

ポイント

所有期間が5年を超えるかどうかの微妙な時期に売却を検討するなら、是非、1月1日時点で5年を超えてから売却するようにしたいですね。

 

【不動産 売却】売却益と税率まとめ

 

不動産の売却益の計算方法と税金の計算方法、ご理解いただけたでしょうか?

 

最後にもう一度おさらいをしておきます。

 

売却益

売却価格- ( 取得費+ 譲渡費用)

 

  • 取得費の計算では、建物の減価償却費相当額を引くのを忘れないように!

 

所得税、住民税の税率は、不動産の所有期間によって2つのパターンがありましたね。

 

所有期間 所得税率 住民税率 合計
5年以下 30.63% 9% 39.63%
5年超え 15.315% 5% 20.315%

 

所有期間が5年以下か5年超えか?で、約2倍の税率の差があります。

 

節税を考えるなら、売却の時期に気を付けましょう!…というお話でした。

 

ただし…

自分が住んでいる家や、3年前まで住んでいた家を売る場合は、3,000万円までの特別控除という特例が適用される可能性が高いです。

 

これは、マンションでも同じです。

 

ぜひ、下のおすすめ関連記事を読んで、節税対策の参考にしてみてください。

 

おすすめ関連記事

  • 減税、免税のための特例について知りたい方におすすめの記事は、こちらです。自分が住んでいる家を売りたい人は必見です。

 

  • 家やマンションではなく、土地の売却を検討している人におすすめの記事はこちらです。

 

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます
おすすめの記事