税金のことってむずかしくてよく分からない…

 

法律用語が苦手で…

 

このような声をよく聞きます。

 

たしかに…

 

税金にかかわる話では、日常会話では使わないような「法律用語」や「お役所用語」をさけて通れません。

 

この記事では、難解な法律用語やお役所用語を、日常会話で使うような分かりやすい言葉になるべく置き替えて、マンション売却にかかわる税金について解説しています。

 

法律や税金に対して苦手意識を持たれている方に、是非読んで頂きたい内容です。

 

この記事でわかること
  • マンション売却で支払う3種類の税金について
  • 税金計算のシミュレーション

 

【マンション売却】売却時にかかる税金とは?

 

マンション売却時に払わなければいけない税金は、まとめると以下の3種類です。

 

  1. 印紙税(いんしぜい)
  2. 登録免許税(とうろくめんきょぜい)
  3. 譲渡所得税(じょうとしょとくぜい)

 

まずは、このことを念頭において、少し詳しく見ていきましょう。

 

必ずかかる税金

 

マンション売却で必要となる「印紙税」「登録免許税」「譲渡所得税」の中で、必ず払わなければいけない税金は「印紙税」です。

 

「登録免許税」「譲渡所得税」は、場合によって支払う義務が発生する税金です。

 

印紙税

 

印紙税は、必要な金額分の印紙を売買契約書に貼付することで納税します。

 

豆知識

 

「印紙」ってどこで買うの?

 

印紙は、切手と同じような形状・大きさをしていて郵便局などで購入することができます。

 

ビジネスシーンでは、5万円以上の領収書に貼付することが義務付けられている「収入印紙」がおなじみですね。

 

200円などの小額の収入印紙は、コンビニでも買うことができます。

 

不動産売買においては、数千円から数万円の高額印紙が必要になるので、通常コンビニでは扱っていません。

 

たいていは、仲介の不動産会社が印紙を用意してくれるので心配いりませんが、自分で準備しなければいけない場合は、郵便局へ行けば確実に買うことができます

 

 

売却額が高額になるに従って、印紙税額も上がります。

 

現在は軽減措置が適用されているため、本来の税額のおよそ半額で済むようになっています。

 

この軽減措置は、もともと2018年3月31日までの適用だったのが、2年間延長され2020年3月31日までとなっています。

 

2019年10月から施行予定の消費税増税後の景気の動向しだいでは、さらに延長される可能性もあります

 

軽減措置後の具体的な税額を下の表で確認してみましょう。

 

■ 印紙税額 

売却額 印紙税額
1万円以上50万円以下 200
50万円超え100万円以下 500
100万円超え500万円以下 1,000
500万円超え1,000万円以下 5,000
1,000万円超え5,000万円以下 1万
5,000万円超え1億円以下 3万
1億円超え5億円以下 6万

 

これ以上の売却額については、国税庁のHPで確認してください。

 

印紙税は、それほど高額ではないことが分かりましたね。

 

まずはホッとしました。

 

 

場合によって支払う税金

 

場合によって支払う税金が、次の2つです。

 

  • 登録免許税(とくろくめんきょぜい)
  • 譲渡所得税(じょうとしょとくぜい)

 

聞き慣れない用語が出てきたぞ…;

 

登録免許税

 

登録免許税(とうろくめんきょぜい)とは、登録免許税法に基づき、登記、登録、特許、免許、許可、認可、認定、指定及び技能証明について課せられる国税で流通税である。

 

不動産売却時に登録免許税がかかるのは次のような場合です…

 

  • ローンを完済したときに、抵当権の抹消登記をしていない場合
  • 売却したお金でローンの残金を払う場合
  • 物件を購入したあと引っ越しをして、登記簿の名義人住所の変更登記をしていない場合
  • 結婚、離婚、養子縁組、改名などで氏名が変わっていて、登記簿の名義人氏名の変更登記をしていない場合

 

上の条件などに当てはまる場合に、登録免許税がかかります。

 

豆知識

 

そもそも登記って何?

 

不動産を購入すると、法務局にある登記簿に「登記」をします。

 

登記というのは、その不動産(土地、家、マンションなど)の地番や面積、建物の構造などの物理的現況と、その不動産が誰のものなのか?という権利に関することを、「登記簿に登録すること」です。

 

また、登記簿に登録された内容を変更したり削除したり追記したりすることも、登記という言葉を使います。

 

この「登記」にかかる税金が「登録免許税」です。

 

 

 

 

不動産売買にかかわる登記の中で代表的なものは、以下の4つです。

 

  1. 抵当権抹消登記(ていとうけんまっしょうとうき)
  2. 登記名義人表示(住所・氏名)変更登記(とうきめいぎにんひょうじへんこうとうき)
  3. 所有権移転登記(しょゆうけんいてんとうき)
  4. 抵当権設定登記(ていとうけんせっていとうき)

 

 

手続きの名前 内 容 費用の負担
抵当権抹消登記 ローン完済後、金融機関に設定している抵当権を抹消する手続き 売主
登記名義人表示変更登記 不動産の持ち主の住所や氏名が変わったときに変更する手続き(持ち主自体は変わらない) 売主
所有権移転登記 不動産を購入または売却などして、持ち主が変わったときにする変更する手続き 買主
抵当権設定登記 金融機関などからのローンで不動産を購入した際に、金融機関に抵当権を設定する手続き 買主

 

 

それぞれの登記に対して登録免許税が課せられます。

 

ただし…

 

ポイント

の中で、売主の負担と責任でおこなう登記はだけです。

  1. 抵当権抹消登記
  2. 登記名義人表示変更登記

 

は、通常、買主の負担と責任でおこないますので、この記事では省略します。

 

 

■ 抵当権抹消登記

 

ローンを組んでマンションを購入した場合は、金融機関があなたのマンションを担保に設定してお金を貸しています。

 

担保のことを抵当権と言います。

 

もしローンの返済ができなくなった場合は、優先的にそのマンションを売って現金に替えられる権利のことです。

 

不動産を売却する時は、ローンの支払いを全て終わらせてから引き渡す必要があります。

 

ですので、売却金額をローンの支払いにあてて完済するケースが多いです。

 

その場合、登記簿に設定してある抵当権を抹消する手続き(登記)が、ローン完済後必要になります。

 

また、ローンの支払いがすでに終わっている場合でも、抵当権抹消登記をしていない場合は、売却の際に同時にする必要があります。

 

 

■ 登記名義人表示(住所・氏名)変更登記

 

物件の持ち主(登記名義人)の住所や氏名が変わったときにおこなう変更手続きのことです。

 

本来は、変更があったときに登記の手続きをするべきなのですが、手続きをしなくても実生活に影響はないので、手続きをしていないケースが多いようです。

 

譲渡や売却で所有権の移転登記をするときに、印鑑証明書の住所と一致させる必要があるので、移転登記と同時に変更登記もおこないます。

 

 

■ 抵当権抹消登記と住所氏名変更登記の登録免許税

 

どちらの登記も、登録免許税の額は同じです。

 

登録免許税
1,000円 × 物件数
土地1筆の上に建つ建物1軒なら、
1,000円×2で、2,000円です。

 

注意点は…

 

  • 家と土地は別々に数える(マンションも同じ)
  • 「物件数」とは「登記簿の数」
  • ひとつの土地が1物件とは限らない

 

いずれにしても、数千円で済みそうね

 

ただし、登記の手続きは司法書士に依頼することが一般的です。

 

司法書士への報酬が1~2万円ほどかかることを覚えておきましょう。

 

 

譲渡所得税

 

譲渡所得税は、マンションの売却によって利益が出た場合に支払う税金です。

 

譲渡所得に対して課せられる税金なので、総称として「譲渡所得税」「譲渡税」などと言うことがありますが、正確には以下の3種類の税金のことです。

 

  • 所得税(国税)
  • 住民税(地方税)
  • 復興特別所得税(国税)

 

給与所得などに対して支払う(天引きされる)税金も同じ内容なので分かりやすいのではないでしょうか。

 

譲渡所得税を計算する際には、まず課税対象となる利益 =「課税譲渡所得(かぜいじょうとしょとく)」を計算する必要があります。

 

課税譲渡所得の計算方法

❶ まず、次の3つの合計を出す…(A)

  • 買った金額
  • 買ったときにかかった費用
  • 売るときにかかった費用

 

❷ (A)から建物の減価償却費を引く…(B)

 

❸ 次に、売れた金額から(B)を引く。

 

残ったのが、課税譲渡所得

 

この「課税譲渡所得」にそれぞれの税率をかけて税額を計算するのですが、マイホーム(居住用)の家やマンションを売却した場合、3,000万円の特別控除があります。

 

ですので、上で出した「課税譲渡所得」から、さらに3,000万円を引くことができます。

 

そのうえで、まだ課税譲渡所得がプラスになっている場合のみ、以下の各税率をかけた額を税金として納めることになります。

 

 

所得税・住民税の税率

 

不動産の所有期間によって、2種類の税率があります。

 

所有期間が5年以下なら「短期譲渡所得」5年を超えるなら「長期譲渡所得」です。

 

課税譲渡所得 ×

  所得税 住民税
所有期間が

5年以下

(短期譲渡所得)

30% 9%
所有期間が

5年超え

(長期譲渡所得)

15% 5%

 

売却した年の1月1日時点での所有期間が基準です。

 

 

復興特別所得税の税率

 

一律
基準所得税額 × 2.1%

 

基準所得税額は、所得税から規定の控除額を差し引いた金額です。

 

所得税から控除できる項目は、国税庁のHPで確認できます。

 

 

所得税、住民税、復興特別所得税すべてをまとめた簡易の計算式が下記の通りです。

 

ポイント

所有期間が

5年以下

課税短期譲渡所得×39.63%
所有期間が

5年超え

課税長期譲渡所得×20.315%

 

 

以上で、不動産売却時にかかる税金の説明は終わりです。

 

説明だけではイメージがわきにくいと思いますので、実際の事例で税金をシミュレーションしてみましょう。

 

 

【マンション売却】売却前に税金をシミュレーション

居住用マンション投資用マンション、それぞれの例で税額をシミュレーションしてみます。

 

印紙税、登録免許税は少額なのでここでは省略しています。

 

居住用マンションの例

  • 2004年10月1日に購入した
  • 購入金額3,500万円
  • 購入にかかった費用は130万円
  • 減価償却費は500万円とする
  • 2019年8月1日に売却すると仮定
  • 売却額は3,200万円と予測
  • 売却にかかる費用は120万円と予測
譲渡所得税の計算
❶ 購入金額+購入にかかった費用+売却にかかった費用
3,500万+130万+120万=3,750万…(A)
❷ (A)ー建物の減価償却費
3,750万ー500万=3,250万…(B)
❸ 売却額ー(B)
3,200万ー3,250万=-50万課税譲渡所得
課税譲渡所得がマイナスになっているので、譲渡所得税はかかりません。
節税ポイント
譲渡損失が出た場合は、給与所得などから損失額を控除して、給与所得などにかかる所得税や住民税を減額または免税にできる「損益通算」「繰越控除」という制度があります。
いくつかの要件を満たしている必要がありますが、利用できる場合は節税になります。

投資用マンションの例1

  • 2015年3月1日に購入した
  • 購入金額2,800万円
  • 購入にかかった費用は100万円
  • 減価償却費は130万円とする
  • 2019年10月1日に売却すると仮定
  • 売却額は3,000万円と予測
  • 売却にかかる費用は110万円と予測
譲渡所得税の計算
❶ 購入金額+購入にかかった費用+売却にかかった費用
2,800万+100万+110万=3,010万…(A)
❷ (A)ー減価償却費
3,010万ー130万=2,880万…(B)
❸ 売却額ー(B)
3,000万ー2,880万=120万円課税譲渡所得
売却した年の1月1日時点の所有期間が5年以下なので、短期譲渡所得の税率を適用。
120万×39.63%=47万5,560円譲渡所得税額
節税ポイント
この例では、所有期間5年以下の税率が適用されていますが、売却をあと1年2ヶ月ずらして2021年1月以降に売却すると、所有期間5年超えの税率が適用となり、税金は安くおさえられます。
どのぐらい安くなるか、比較してみます。

投資用マンションの例2

例1からの変更点
  • 減価償却費は160万円とする
  • 2021年1月31日に売却すると仮定

 

譲渡所得税の計算

❶は、例1と同じ。3,010万…(A)

❷ (A)ー減価償却費

3,010万ー160万=2,850万…(B)
❸ 売却額ー(B)
3,000万ー2,850万=150万円課税譲渡所得
売却した年の1月1日時点の所有期間が5年超えなので、長期譲渡所得の税率を適用。
150万×20.315%=30万4,725円譲渡所得税額

 

例1との差額は、-17万835円となりました。

 

時期を少しずらしただけで、こんなにも節税できるんだね

 

【マンション売却】税金|まとめ

 

マンション売却時に支払う税金について、イメージできたでしょうか。

 

印紙税、登録免許税はそれほど高額になることはないので、あまり考慮する必要はないでしょう。

 

ポイントとなる譲渡所得税も、居住用のマンションであれば3,000万円の特別控除が適用されるので、実際は譲渡所得税が課税されるケースは少ないと言えます。

 

投資用のマンションの場合は、3,000万円の特別控除が使えないので、節税のためには所有期間に気を付けましょう

 

売却する年の1月1日時点で、5年以上所有しているかどうかがポイントとなります。

 

居住用のマンションで少し注意が必要なのは、買ったときの金額が分からないケースです。

 

その場合は、売却額の5%しか購入金額として計上されないので、譲渡所得が高額になりやすいからです。

 

居住用マンションの売却の際には、3,000万円の特別控除以外にも使える特例がいくつかありますので、うまく使って節税したいものです。

 

おすすめ関連記事

  • こちらの記事で、さらに詳しい節税のコツが分かります。
  • 面白い角度から確定申告についての理解が深まる記事がこちらです。

 

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます
おすすめの記事